NHK教育テレビ「ベストスキー」「中高年のためのスキー術」で講師をつとめたシニアスキーの第一人者平沢文雄のスキーへの誘い
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>ホーム>コラム>2.健康とスキーのすすめ
 
コラム


 

 

人生80年を迎えたとはいえ、40歳台に入ると、「健康」という言葉が、急に頭をよぎるようになります。健康とは、言葉が示す通り、健(すこやか)と康(やすらか)という心とからだの状態を表現したことばです。
 「健康」についての定義で知られているのはWHO(世界保健機関)のことばです。「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であって、単に病気や障害がないということに尽きるのではない。」 しかし、現実は「まったく病気がなく、すべてにおいて完全な人間」などいないのですから、理想論といってもよいでしょう。

 

ウェルネス(Wellness)健康観

 最近は、WHOの手の届かない健康観よりも身近にあって毎日の生活の中の努力に見合う健康観が注目をあつめております。
鳥取大学の医学部教授の清水克哉氏は、次のように言っております。
『この健康観は、元気とか心地よいを意味する「Well」(ウェル)からきています。病気を意味する「illness」(イルネス)と対照的な言葉です。
この(Wellness)に単に病気がない状態を示す「ヘルス(health)よりも、「健康を作っていこうとする日々の実践的努力や充実感を大切にしています」という点で、積極的、総合的でダイナミックな健康観を表現しているといえます。』
 このように、ウェルネス健康観は、自分が病気やからだの障害をもっている、あるいは、いないということで健康を評価するわけではないし、また、若いとか、体力があるといった状態や機能によって評価するものでもありません。
 大切なことは、

  • 現在の自分を知ること(年齢、からだと心)

  • その中で「どこが問題かを探り」ます

  • それをどう改善するかという「解決する方策を考え」ます

  • そしてそれを「実践していく」のです

このように自分を良い方向に改善するために、積極的な姿勢でのぞむのです。
一回しかない自分の人生を「自分が納得できるように過ごしたい」という願望を大切にして、そのための努力をしようというのです。
 健康でありたいと願う心は、自分が望んでいることがやりたいから健康が大切なのであって、健康のために努力する訳ではありません。健康を維持したり、改善する努力は、自分が想うような人生を送りたいがためのものであって、健康になることが目的ではないのです。
 手段(健康)と目的(豊かな人生、悔いのない人生)をはき違えてはなりません。ジョギングもウォーキングも、また、アスレチックジムでの体力づくりも、自分の”想い”を実現するための資本の蓄積なのです。

 

なにをしたいか、なにをやりたいか、具体的な目的を持つ

 健康に対する積極的な態度には、はっきりとした目的目標が必要です。「自分はなにをやりたいのか」を考えしっかりした目標をもつことが大切です。そのことが自分にとって心地よいことであり、嬉しいことであり、幸せを感ずることであれば、そのための健康づくりは、決してつらいことでも、また、いやなことでもなくなります。そうでないと(目標、目的がない)、健康のための努力が苦しいことであり、つらい修行になってしまいます。

  • バランスのとれた食事

  • 規則正しい生活(十分な睡眠)

  • 適度な運動

という健康の条件も、なんのために?ということがわかっていない方も多いようです。

 

BSA(ベスト・スキー・アカデミー)について

 私たちがやっております中高年者のスキーサークルは、41歳以上の会員が400名程度おります。現在は平均年齢が62歳になりました。
 この会員の方々の輝いている姿を見ていると、いかに目標をもつことが大切かということがわかります。年齢からすれば、オジさんどころか、おじいさんたちであり、オバさんではなく、おばあさんたちです。一般には、お年寄りという存在です。そのような方々が、雪の降る冬の季節をいまが遅しと待っているのです。それは、スキーが面白く、楽しく、張り合いの持てる運動だからです。避暑のような消極的な行動と違って、寒い雪国にわざわざ好んで出かけて行くのです。こんな積極的な行動をおこさせるのは、それにも増す”楽しさ”があるからなのです。
 ウェルネス健康観を結果として現実のものとしていることになります。強靭な意志を持っている少数の人間は別として、一般の多くの人々は、健康の大切さを十分にわかっていても、そのために努力する、頑張る、務めるというような義務感をもつような”つらい”ことはやりません。いや、たとえ意を決して実行しても、いわゆる”三日坊主”になってしまうのがオチです。ここに問題があるのです。からだに良いということがわかりすぎるほどわかっていても、その為だけには、なかなか実行に移せないのです。それは、からだによくても、そのこと自体に”楽しさ”を感じないからです。

 

健康の改善策にはスキーが一番

 健康に良いことをやるために、もっとも大切なことは、そのことが楽しいというより面白いということが必要です。
その手段としては、スキーが最も良いスポーツと思います。
 その理由はいうまでもなく面白いからです。その真の理由は年齢には関係なく”上手になり、楽しめる範囲が広がる”ということでしょう。当然のことですが人間は、加齢とともに、各器官、機能は衰えてゆきます。

  • 力強さ(筋肉の発揮する力)において、20歳代を基準にすると、60歳代の男性で約25%、女性で約30%も低下することが報告されています。(「運動するから健康である」 東大出版会 宮下充正教授)

  • ねばり強さ(全身持久力)においては、20歳を基準にすると60歳代の男性で約49%、女性で約57%減少するというのです。

このように中高年令になると体力は落ち、若いとき(20歳代)のように、からだが動かなくなります。したがって、体力(力強さ、持久力 etc.)使うスポーツ能力は急激に低下します。すなわち、他のスポーツでは、いやがうえにも、”老化”ということを実感させられることになります。
 ところが、スキーというスポーツは、重力(滑り落ちる)という力(エネルギー)を利用するスポーツですので、その利用の仕方、すなわち”技”が重要な価値をもちます。日常の生活ができる体力さえあれば、いや身体的ハンデキャップのある人でも、十分に楽しむことができ、”上達する”という実感を持つことができるのです。この稀な運動の特質にこそ、中高年者にとって最適なスポーツという理由があります。中高年者にとって、なによりも、嬉しく、気分が爽快なことは、「上達する」ということによる、自分自身への信頼感であり、自信が持てることです。老化とは、身体的な衰えとともに、自分に自信を失う状態です。上手になってゆく自分を実感することは 「まだまだやれる」という気持ちが湧き、明日への期待や希望に心がときめきます。スキーというスポーツは、中高年者にとってなによりの心とからだのまたとない活性剤なのです。

 

体力依存型スポーツと技(スキル)依存型スポーツ

 このような分類は、私だけのものですが、体力依存型スポーツをサッカー、ラグビー、相撲、マラソンなどと考えると、技スキーの分野は別ですが、一般スキー(ゲレンデスキー)の分野は、”技”の良し悪しが価値を持つ、ボーリングやアーチェリーのようなものかも知れません。いや、私の実感とすれば、ダンス、日舞、演劇のような文化部的なからだの運動のように感じます。とくに競い合うというプレーやゲームのような性質のスポーツではありません。
 具体的で、しかも客観的な目的を持っているスポーツでもありません。それなのに「上手になりたい」という願望を常に
もたせるスポーツなのです。
 なんのために、上手になりたいのか、という理由をあげるとすれば、それは「自分の脳裏にある”想い(イメージ)”の実現」でしょう。
 あの斜面を、あの雪質を、あの地形を、そしてもっとスピードをだして、もっと気持ちの良いターンを描いて滑りたい。自分が想っている(イメージ)ように、滑れるようになったら、どんなに嬉しいだろう、楽しいだろう、という”想いの実現”を夢見ているのです。何回も申し上げたように、スキーは、たとえ年輩者になっても、その夢をいつか果たさせてくれるという上達という希望をもたせてくれるのです。
 この心こそ、健康への努力を努力と思わせない動機(モチベーション)を与えるわけです。つまり、スキーへの憧れを手に入れるために、日頃から健康に気をつかうという訳です。そして、さらに、スキーを滑り楽しむことにより、その結果として、健康を維持し、機能を回復する運動を実践することになり、さらに、大自然を夢中に滑る中で、過剰なストレスを解消し、おいしい食事と、ぐっすりの睡眠。さらにまた、共通の楽しみ(趣味)を持つ仲間とのコミュニケーションがとれるなど、これ以上に健康的なスポーツはないといっても過言ではないでしょう。
 いずれにしても
健康をたいせつにするならば、なにか自分がやりたいこと、それが趣味でもスポーツでも、あるいは仕事でも家族のことでもよいですから、自分の”想い”をはっきりさせるのです。その目的さえ決まれば、そのために自分の健康をどう保ち、改善するための手段、方法を見つけ出すことができます。

  • 栄養のバランスを考えた、おいしい食事を食べ

  • 散歩でも、ウォーキングでもよいですから、自分の体力を考慮した運動をして

  • 十分な睡眠時間をとり

  • 楽しい仲間と語り合うことです

さらに、

  • 気持ちをおだやかに、怒らず、憎まず、妬まず

  • くよくよせず、たえず前向きに考え(プラスに)

  • ただちに行動に移すことです。

人生の目的を果たす(かなえる)ために、手段としての健康(すこやかなからだとやすらかなこころ)という資本を蓄える
という役割をふまえて、楽しい健康づくりの方法を見つけ出すことです。

 

中高年者の健康づくりに大切なこと

 中高年者、とくに高齢者にとって大切なことは、自分の身の程をわきまえて、決して無理をしてはいけない、ということです。競い合わず、頑張らず、無理をせずは、健康づくりのモットーです。
 その点、勝負を競い合うスポーツやゲーム、また、体力測定などの計数がめやすになるような運動は適切とは思えません。なぜならば、無理をしてしまうケースが多いからです。なによりも、自分のペースで、他のことを気にせず、一人または、気の合う仲間と手軽にやれるものが良いでしょう。大切な心がけは、誰よりもという相対的な健康観ではなく、あくまでも自分自身にとって、今日よりも明日、明日よりもあさってと、少しでもよりよい方向に改善するというマイペースです。具体的には、公園などの散策、ウォーキングによるタウン(街)ウォッチング、犬の散歩、自転車、水泳、ジョギング、トレッキング、バードウォッチング、ショッピングなどの新しい発見のある軽運動が良いでしょう。機会をつくれる人はぜひスキーをお勧めします。
 健康は、自分がもっとも愛している人のため社会のために大切にしなければならないものです。それは、自分自身で
あり、自分の連れ合いであり、家族であり、仕事であり、後に続く人たちなのです。
 さあ、いまから、すぐ、行動にうつしましょう。

 
 

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